「女性はお腹を冷やしてはいけない」といわれるように、妊娠中の冷え対策に慎重になっている人も多いのではないでしょうか。最近では、ネットの健康情報でも冷えについて目にすることが増えました。この記事では、妊娠中の冷え対策についてお伝えします。
妊娠中に冷えはよくないのか?
体が冷えると頭痛や肩こり、便秘などの体の不調は多くの人が経験しているでしょう。東洋医学では「冷えは万病のもと」としており、冷えが体の病気や不調の原因になると考えられています。実際に体が冷えると筋肉がこわばり、血行が悪くなるので、体の機能が低下しがちです。
一方で、体が冷えると妊娠やお腹の赤ちゃんに影響を与えるというのは、極端な考え方です。最近の妊婦さんは、体の冷えに対して必要以上に敏感になって、夏場の暑い時期にも、腹巻きやレッグウォーマーをしている人も少なくありません。
冷えと子宮の関係
女性の場合、男性よりも筋肉量が少ないために、体が冷えやすい傾向にあります。実際に、冷え症の女性のなかには、常に手や足の先が冷たいという人もいるでしょう。
一方で、体の中心にあるお腹が冷えているという人はいないはず。お腹に手を当てみると分かりますが、じんわりとした温かさを感じることができるでしょう。体の中心部には重要な臓器が位置しており、体温が保たれるようになっています。妊娠・出産にかかわる子宮も、体の中心部に位置しており、そう簡単に冷えることはないのです
妊娠中の冷え対策
体が冷えると風邪を引きやすくなるので、体を温めるのは大切です。しかし、夏の暑い時期に、無理をして腹巻きをしたり、温かい飲み物をとるのやりすぎといえます。妊娠中は体が快適と感じるように、衣類を調節するようにしましょう。
適温であれば、冷房を使用しても問題ありません。寒いと感じるのなら、設定温度を上げたり、カーディガンをかけるなどして、対策をすることが大切です。
まとめ
最近はネットの健康情報を中心に、冷えによる健康への影響が独り歩きしています。妊娠中は冷え対策に過敏になるのではなく、自分が快適と思えるように工夫していきましょう。

執筆:江波明子国立大学看護学部卒業 看護師と保健師の免許取得後は都内の国立病院、市立病院で看護師として従事し、
現在は育児をしながら医療専門記事のライターとして活動中