妊娠中の多くの女性に現れる症状のひとつであるつわり。
しかし、重いつわりをそのまま放っておくと、母子の健康に影響を及ぼす可能性もあります。
そこで今回は、つわりの特徴や医療機関を受診する目安についてお話します。
■つわりとは
つわりとは、妊娠してから1か月半頃から現れる、次のような症状を指します。
・吐き気や嘔吐
・食欲不振
・食べ物の好き嫌いの変化
・体がだるい、頭が重たい感じがする
・眠くなる
なお、つわりは約8割の妊婦さんに現れる症状で、
妊娠3か月から4か月には自然に症状はおさまっていきます。
●つわりがひどくなると妊娠悪阻(にんしんおそ)に
妊婦さんにとって身近な症状であるつわりですが、症状がかなり重くなると「妊娠悪阻」と呼ばれる状態になります。
特に、妊娠悪阻は精神的ストレスが強い妊婦さんや、夫婦間のセックスがうまく行ってない夫婦によくみられる傾向にあることが分かっています。
■妊娠悪阻で受診する目安と治療
妊娠悪阻になると、体が飢餓状態になるだけでなく、脱水や代謝のバランスが崩れることで、
母子の健康にも影響が及びます。そのため、妊娠悪阻では医療機関での治療が必要になりますが、以下のような重度のつわり症状がみられる場合には、一度かかりつけの産婦人科へ相談しましょう。
・吐き気などで食事を取ることができない
・冷や汗がでる
・全身に強い疲れがある
■妊娠悪阻の治療
妊娠悪阻になった場合、入院治療が基本となります。実際に行われる治療内容は以下のようになります。
・点滴治療
点滴により、体内の水分やミネラルバランスを調節します。一般に、点滴治療を行えば、吐き気や嘔吐などの症状はおさまるとされています。一方で、いつまでも症状が続く場合は、吐き気止めなどの薬を使用することもあります。
・精神ストレスのアプローチ
妊娠悪阻は、不安などにより症状が悪化するケースがあるため、医師や看護師によるフォローが行われる場合があります。
・食事指導
妊娠悪阻では嘔吐が落ち着くまでは、胃を安静する必要があります。症状が軽快にともなって、水分から固形の食べ物と段階的にアップさせます。
■まとめ
妊婦さんにとって身近な症状であるつわりですが、重症化すると妊娠悪阻になり、入院治療が必要になります。妊娠悪阻は母子の健康にも影響を与えるため、つわりの段階から、かかりつけ医に相談するようにしましょう。